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Chorrol剣舞連 ~Mental Sketch Modified~

カテゴリー: プレイ日記

 プレイ日記です。以下のクエストのネタバレが含まれています。

・The Killing Field



 風が渡る。
 木の梢がざわめき、草の穂が緩やかなうねりを描いて寄せては返す。
 それと半ば重なりつつ、もう一つの波がひたひたと寄せてくる。
 敵意、憎悪、殺意。それらを乗せて地を踏み、駆ける足音。
「身を護れ! 奴らが来るぞ!」
 Rallusが剣を抜き、身構えつつ叫んだ。
「ばらばらになるな、背後に気をつけろ! Antus、用意はいいか!」
 緊張の水位が高まる。それは心を囲む堤をじわじわと押し包み……。
「来た!!」
 決潰した。
 波が来る。ゴブリンの一群が思い思いの錆びた武器を振りかざし、押し寄せて来る。

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 RallusとAntusの二人の武装は剣だけで、防具の一つも身につけていない。複数のゴブリン相手に乱戦に持ち込まれたら長くは持たないだろう。ぼくが彼らの楯となってすこしでも多くの敵を引きつけ、彼らの負担を減らしてやらなければ。
 ニ体、三体と次々に木々の間から飛び出し、目の前にゴブリンの一群が迫る。
(……ざっと五、六体と言ったところか。最低でも三体、できれば四体は阻止しないと。きついな……)
 ぼくはつい先ほどギルドで教えてもらったばかりの呪を解き放つと、それが形を成すのを確かめる前に剣をあげて突撃した。 

07-02.jpg



 少し時を遡る。
「息子たち! 私の息子たちを見なかったか?!」
 Eranaの部屋から『Fingers of the Mountain』を回収し、Grey Mare亭一階の酒場に降りてきた所で、ぼくはいきなり初老の男性に呼び止められた。
「貴方の息子さん?」
「そう、RallusとAntusだ。あの子らは私の農場からゴブリンどもを追い払おうとしている。だが、私はあの子達が心配でならん」
 彼、Valus OdiilははChorrol近郊で農場を営んでいた。だが数日前から農場がゴブリンの集団の襲撃を受けるようになり、ついには家を追われてChorrolの街に避難せざるを得なくなってしまったのだという。衛兵に助けを求めたものの、証拠もないし城壁外のことには関与できないと断られてしまい、遂に彼の息子たちが自分達だけでもゴブリンどもを退治すると言い出したというのだ。

07-03.jpg

「息子達は私が一緒に行くと期待している。だが……私は老齢であることが不安なのだ。かつてのような戦士ではない。君が……君が私の代わりに行ってはもらえないだろうか?」
 ぼくは彼の頼みを断れなかった。彼の息子達はWeynon Priory前の三叉路で彼を待っているという。彼らの責任ではないが、また随分嫌な場所で待ち合わせてくれたものだ。Joeffreの部屋の窓から丸見えだよ……。
 Grey Mare亭を出るぼくの背に、彼の最後の言葉が流れてきた。
「わ……私は神経を鎮めるために少し飲まなくては。Nineよ、私をお許しください」
 ……おい。
 息子達を心配して待つなら、その間くらい素面でいろよ。大体、まだ朝じゃないか。そんな生活をしていてゴブリンに殺される前に酒害で死んでも知らないぞ。まったくもう。

 一度メイジギルドに戻り、Teekeeusに『Fingers of the Mountain』を渡す。Athragarからこの戦いに役立ちそうな呪文を一つだけ教わると、ぼくはギルドを飛び出した。途中、市門で警備に立っていた衛兵を捕まえて話をしてみたが、Valusの話にもあった通り証拠がない、城壁外のことには関与できないと木で鼻をくくったような答えが帰ってくるばかりだった。

07-04.jpg

 証拠がないって……そもそも現場の農場に行かなければ証拠も何もないと思うんだけど。
「話にならん。私に職務を放棄しろというのか?」
「誰も貴方にきてほしいとは言っていないよ」
 門を警備する兵士が無断で持ち場を離れたら、普通は問答無用で軍法会議だ。
「でも、あの農場のあたりだってChorrol伯領だ。領民の生活を護る義務が貴方達にはあるはずだし、衛兵隊にも城壁外を巡察する部隊はあるだろう。彼らは一体何をしているんです?」
 その瞬間、衛兵の表情が見紛うことのない苦悩に染まった。
「巡察隊は……今は動けん」
 食いしばった歯の間から絞り出すように、彼は答えた。
「皇帝陛下が暗殺されて以来、巡察隊には全員準臨戦体制での待機が義務付けられている。何がおきるかわからん状況で、兵をむやみに外に出すわけにはいかんのだ。我々とて、好きで手をこまねいている訳ではない……!!」
 ……そういうことか。
 領主としては当然の判断だろう。火急の事態に対処するためには十分な予備戦力を手元に留めておく必要がある。結果、衛兵隊にとっての機動予備にあたる巡察隊が、全員市内に控置されるという結果を招いた訳だ。それは、全体としては領土と領民を護るためにとられた手段だろうが、個々においては結果的に城壁外の領民を見捨てるのと同じ事になる。そして今回、正しくその事態に陥ってしまったのがOdiil一家だった。
「すまない、言い過ぎた」
 衛兵に詫びると、ぼくは市門から外に出ようと歩き出す。
「……行くのか」
 話していた衛兵に、背中から声をかけられた。
「義務に縛られずにすむのが、流れ者の数少ないいいところだからね」
「そうか……私はここで立っていることしかできないが、武運を祈っているよ」
 ぼくは振り向かない。黙って片手を挙げて彼に応えると、そのまま門をくぐった。

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「父が来ないとはどういうことだ?! その代わりにあんたに行くよう父が言ったのか? 父には誇りがないのか?!」
 Odiil兄弟は既にWeynon Prioryの前でぼくを……正確にはぼくではなく、本来来るはずだった父、Valusを待っていた。
「父は我々とはこないということですか? 分かるような気がします。それに父には安全な場所にいてもらった方がいいでしょう。なぜ父が代わりにあなたをよこしたのかは分かりませんが」
 血気に逸る弟のAntusに対し、兄のRallusは落ち着いた物静かな性格だった。二人とも年齢はぼくとさほど変わらないか、もしかすると下かも知れない年頃だが、Rallusはその物腰のためか実際よりも遥かに年長の趣がある。
「あなたには何の利益もない戦いなのに、加勢してくれると言うのですか? それは立派な行いです……私はあなたの助力を喜んで受け入れます」
 彼の決意は静かだが強固だ。だからValusも彼らを止められなかったのだろう。Antusだけならば、よくある若者の暴走として容易に説得できたはずだ。
「父が来ないのであればこれ以上ここにいても仕方がありません。行きましょう」
 そしてぼく達三人は農場へ向かい、戦いが始まった。

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 結局、ゴブリン達の襲撃は三波に及んだ。一度などはぼくの横を抜けられてしまい、三体がまとめてAntusに襲いかかった所を慌てて背後から斬り倒す破目になるなどいささか危うい瞬間もあったが、何とか彼らを全員殲滅することに成功した。これで当分は、彼らも農場に手を出すことは控えるだろう。

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「はは! 僕らは奴らをやっつけた! 全滅させてやったぞ! 僕の戦い振りは見ていてくれましたよね」
 喜色満面で、無邪気に喜びを全身で表しているのはやはりAntus。笑顔になって険が取れ、表情に年齢相応の稚さが現れている。
「私たちの勝利を知らせるため、父に会いに行きましょう!」
 Rallusも喜びを押さえ切れない様子で、ぼくを待たずに早足でChorrolに戻り始めた。

 Grey Mare亭に戻った僕たち三人を、Valusは満面の笑顔で出迎えた。やはり息子達の無事が何よりも嬉しかったらしい。
「おお、何と感謝すればよいか。子離れできない愚かな老人を助け、息子達を護ってくれた。どうかこれを受け取ってくれ……。私には最早必要のないものだ、私の戦いはもうとっくに終わっている」

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 そう言って彼がぼくに渡したのは氷撃の剣。強力な魔法が呪付され、造りも見事な業物で、それだけで彼がかつてはどれほどの戦士だったか目に浮かぶような逸品だった。さすがにこんなに高価なものをもらってしまっていいものかと一度は固辞しかけたが、彼は自分は余生を農場で過ごすつもりだから、使い道のある人間に役立ててもらいたいのだと笑って言った。
 そこまで言ってもらっては、受け取らないのはかえって失礼というものだろう。ぼくは改めてValusに礼を言うと、ありがたく剣を受け取った。

 でもね、Valus。今日祝杯をあげるのは大目に見るけど、RallusとAntusに心配をかけないためにも、これからは少しお酒を控えた方がいいと思うよ。
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