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騎士道ナインティーン(2)

カテゴリー: プレイ日記

 プレイ日記です。以下のクエストのネタバレが含まれています。

・Knight Of The White Stallion



「ふむ、では彼女は非道にも生命を奪われた友人の仇を討ち、同時にLeyawiinに仇なす無法の輩を一人討ち果たしてくれた、という訳だな。そのような行いには、しかるべき報償をもって報いねばならぬ。……君と彼女に、遍歴騎士の叙勲をもって報いようと申し出たら、受けてもらえるかな」

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 報告を終えたぼくに、Marius殿は言った。
「少なくとも彼女は喜ぶでしょうね、とはいえ……」
 いかに領地をもたぬ称号だけのものとはいえ、騎士勲爵位がそこまで軽いものとは思えない。
「私闘一つに対してはいささか過ぎた報償ではありませんか?」
「まあその通りだ。実はもう一つやってもらいたいことがある」
 Marius殿はあっさりと認めた。
「Black Bow Banditsを名乗る賊の一団が最近領内を跋扈している。奴らの勢力はじわじわと増しつつあるが、現状ではLeyawiinの衛兵隊では奴等を完全には押さえ込めん。理由はわかるかな」
「兵站の問題ですか? 野戦行軍能力を持たない都市衛兵隊では、賊の本拠地まで討伐行の足を伸ばす能力がないと」
「その通りだ」
 Marius殿は頷いた。
「そこで私は、賊討伐のため小規模な遠征を行える騎士団を創設しようと考えている」
 ……つまり行軍戦闘が可能な野戦軍を編成しようというのか。賊の存在を利用してとんでもないことを考えてるな。しかし……。
「お話はわかりましたが、このことと私たち二人の処遇がどう関係するのかが、いささか理解しかねるのですが……」
「君の友人のMazoga嬢は、いささか後ろ暗い過去の持ち主のようでね。現在のBlack Bow Banditsの首領であるOrc、Black Brugoともかつて繋がりがあったようなのだ」
 それまでの柔和な笑みを消し、正面から真剣な表情でぼくを見つめてMarius殿は言った。
「彼女がLeyawiinのために力を尽くしてくれるのであれば、Black Bow Bandits討伐において大きな助けになるだろう」
 助力を断るのであれば……などとはMarius殿は言わない。その必要が無いことを十分に知っているからだ。
「もし君達がBlack Bow Banditsの首領Black Brugoを討ち取ることに成功すれば、私は君達二人にLeyawiinの護り手、白馬騎士団の遍歴騎士の称号を授る事によって、それに報いよう。引き受けてもらえるだろうか」
 選択の余地はありそうになかった。

「Brugoなら知っている。かなり昔、Ra'vindraに出会う以前の事だ。私は奴の率いる賊の一党と行動を共にしていた。獲物の分け前にあずかったこともある」

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 Marius殿との会見の翌朝、相変わらず城のホールに居座っているMazogaを捕まえてMarius殿の言葉を伝えると、彼女はあっさりとそう答えた。Marius殿がほぼ確実に確証を握っていると思われる状況ではうやむやにできることでもないし、そのことを誤魔化すのは彼女の性格や信念にも一致しない行為だからだろう。もっともそのときの彼女の表情からは、内心の思いまでは推し量ることはできなかった。これはぼくが、Orcimerの表情を読むのが苦手なことだけが原因じゃないと思う。
「奴はTelepeという名の廃墟を拠点にしている。ほぼ毎夜、深夜から翌朝までそこに仲間を集めて獲物の分配をしているはずだ」
「それならば、遺跡にやってきた時か、あるいは立ち去る時を狙った方がよさそうだね。遺跡の中の仲間と合流されると、二人だけじゃ手に負えなくなりそうだ」
 Mazogaの言葉を受けてぼくは言った。
「Brugoはどういうタイミングでアジトに出入りすることが多いのかな」
「やってくるのは仲間が全員集まった後だな」
 とMazoga。
「立ち去るのも大抵は他の連中が全員Telepeを立ち去った後、一番最後であることが多い」
「だったら朝方、Telepeを立ち去る時に攻撃をかけた方がよさそうだね」
 Mazogaの言葉を受けてぼくは言った。
「既に他の連中がアジトに勢ぞろいしている状況で襲撃をかけてアジトから増援を呼ばれたくはないし、おそらくこちらより夜戦能力に長けた山賊相手に夜襲をかけるのもごめんこうむりたい。相手を取り逃がす可能性も高いし、下手をすればこちらが返り討ちに遭いかねない」
「そうだな……」
 Mazogaは頷いた。
「お前の指示に従おう。よろしく頼む」

「今のでほぼ全員出て行ったか……Brugoが姿を現すとしたら、次かな」

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 翌朝。ぼくとMazogaはTelepeの出入り口を監視できる茂みに身を潜め、山賊達が遺跡から出ては再び稼業に戻っていくのをじっと見張っていた。
 いや、正確には前日夜から見張りを開始し、遺跡に集まってきた山賊たちの人数を数えて、朝になって出て行った人数と比較していたのだ。真夜中頃にBrugoとその護衛らしき一隊が遺跡に入っていく様子も確認してはいたのだが、その時点では既に優に二十人を超える山賊たちが拠点に集結していた。Mazogaから事前に聞いていた通りBrugoが最後になってからやってきたためだが、いずれにせよその時点で襲撃をかけるのは自殺行為以外の何者でもない。
 だが今や、彼らは遺跡を出て再び森の奥へと散っていった。よほど致命的な見落としをしていない限り、遺跡の中にはもう五人以下の人数しか残っていないはずだ。
「そろそろ出てきてもいい頃だが……」
 しばらくしてMazogaが焦れた様に口を開いた。
「いっそこちらから遺跡内に襲撃をかけてはどうだ? 今ならBrugoとそのわずかな取り巻きしか残っていないはずだし、先に出て行った連中が戦闘の騒ぎを聞いて引き返してくる可能性も減らせるのではないか?」
「確かに一理あるね……」
 ぼくは、しばらくMazogaの提案を検討した。
「……いや、やっぱりやめておこう。遺跡の中の間取りが判らない以上相手に地の利がある状況で戦いたくはないし、もしBrugoが何かに気づいてこちらを待ち伏せしているとしたら悲惨なことになる。それに最悪の可能性として先に出て行った連中が戻って来たとしても、外で襲撃をかけたのであれば撤退することも可能だけど、遺跡内部に突入したところで退路を絶たれたら全滅必至だよ」
「そうは言うが……」
「しっ、黙って。また誰か出てくる」

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 気配を感じてMazogaを制する。程なく遺跡の中から三つの人影が現れた。中央に他の二人よりもはるかにいい作りの鎧を着込んだ、ひときわ立派な体躯のOrcがいる。
「間違いない、Brugoだ」
 Mazogaが囁いた。
「そうか。奇襲は……」
 応じてつぶやいた瞬間、
「無理だね。もう気づかれた」
 こちらに向けられたプレッシャーに、ぼくは肩を竦めて溜め息をついた。
「あきらめて正面から挨拶に出向くしかないか。覚悟はしていたけど、やっぱりただ者じゃないな」
 立ち上がって姿を現し、Brugoら山賊たちに向かって歩みを進めながら、ぼくはLeyawiin出立前にMazogaと交わした会話を思い返していた。

「ええと……君の知っている事はそれだけ?」
 Mazogaから一通り話を聞き、作戦方針を決定した後、ぼくは改めて口を開いた。
「そうだが……何か気になることでもあるのか?」
 Mazogaが怪訝そうに聞き返す。
「ああ……昨日一日、過去のBlack Bow Banditsの活動状態を調べていたんだけど……」
「そうか。それで何かわかった事は?」
 Marius殿の言葉から何を予測していたにせよ、結果がこちらの想像をはるかに超えていたのは確かだ。
「ひどいもんだよ。Leyawiinへの交易路は彼らの襲撃で極めて深刻な被害を受けて機能不全に陥っている。最近のOblivion Gateの脅威の影響まで考えに入れると……」
 一度言葉を切る。短く息を継ぐと、ぼくは結論を口にした。
「Leyawiinの経済は、あと二年持たずに崩壊すると考えていい。Marius殿が何が何でも彼らを排除しようとする訳だ」
 Mazogaは絶句した。Brugoを知る彼女にとっても、やはりこの結果は想像もつかなかったらしい。
「そうか……となると尚更、一刻も早くBrugoを止めなくてはならないな」
「ただそうなると、一つ奇妙な点があるんだ」
 そしてそれこそが、ぼくがBlack Brugoというまだ知らぬ山賊の首領に対して抱いた疑惑を決定的にした物だった。
「Black Bow Banditsが起こした襲撃事件の件数自体は、他の賊と大差ないんだよね。これだけ他を圧する被害が出ているなら、件数ももっと多くていいはずなのに」
「つまりどういうことだ? 確かに不自然だとは思うが、そのことに何か意味があるのか?」
 Mazogaは首を捻る。
「わからないかな。他の野盗や山賊連中は物資を奪うために商人や隊商を襲っている。だがBlack Bow BanditsはLeyawiinに打撃を与えるために交易路を襲撃しているんだよ」
 Mazogaの表情に理解と共に恐怖の色が広がった。驚愕に目を見開き、呆然とつぶやく。
「……まさか、そんな」
「いや、間違いない。個々の襲撃自体は単なる山賊の手口だが……彼らが行っているのは単なる山賊行為じゃない。必要最小限の攻撃で最大限の戦果を挙げるべく綿密に計画された、巧妙極まりない通商破壊戦だ。Black Bow Banditsは……Leyawiin相手に紛れもない『戦争』をしているんだよ」
 それ故に彼らは決してただの山賊ではない。いや、通常の構成員は何も知らないただの山賊である可能性もあるが、だとすると尚更彼らを指揮してこれだけの戦いを繰り広げているいるBlack Brugoは……。
「だから君に聞きたいんだ。Black Brugoは本当にただの山賊の首領なのか?」
「……わからん」
 Mazogaは苦悩の色と共に言葉を絞り出した。
「Black Bow Banditsにいた頃の私は、本当に何もわかっていない愚かな子供だった。確かに言われてみれば、Brugoは他の山賊どもとは明らかに異なる気配をまとっていたような気がする。だがそれが何なのか……奴が本当は何者なのかまでは、正直なところ想像がつかない」
「だよねえ……」
 ぼくは溜め息をついた。Mazogaにとってもあまり思い出したくない記憶に頼るのはあまりにも無理があるし、Brugoにしても、年端も行かない女の子に正体を悟られるほど迂闊であるはずもない。
「となると、直接本人に確かめるしか無さそうだね。……行こう」

「少しはできる奴が来たかと思いきや……これはまた予想外の客を迎えたもんだな。今更何の用だ、もうBlack Bow Banditsにはおめえの居場所はねえぜ、Mazoga」

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 ぼくたちの姿を認めた瞬間、二人の山賊は殺気もあらわに武器に手をかけたが、Brugoはそんな部下達をわずかな身振りだけで制すると悠然と声をかけてきた。
「……悪い冗談だ」
 食いしばった歯の間からMazogaが応じる。
「私はもうかつての無法の徒ではない。Brugo、貴様にはLeyawiin伯Marius Caro殿より討伐の命が出されている。おとなしく武器を捨てて投降するならよし、さもなくば生命は無いものと思え!!」
「……やはりLeyawiinの犬かッッ!!」
 Brugoが何か言う前に、部下二人が反応した。
「構うこたあねえ、殺ッちまいましょう、お頭!!」
「やめねえか!!」
 Brugoが部下達を一喝する。
「騎士殿の口上は、最後まで聞いてやるのが礼儀ってもんだぜ……まあ、期待はずれではあったがな」
 ギロリと厳しい目でMazogaを一瞥する。
「ふん、一応聞いておくが、自分の言っていることの意味をちゃんと理解しているんだろうな。大方Marius殿に俺達を討伐すれば騎士に取り立ててやるとでも言われたんだろうが……」
 一度言葉を切ると、嘲るように吐き捨てた。
「……他人を斬って身分を手に入れようってその魂胆が、俺達のやってる事とどこが違うってんだ、ええッ?!」
「ふざけるな!!」
 Mazogaは激昂した。
「罪なき者を手にかけて恥じぬ貴様らに、言われる筋合いは無い!!」
「ハン、つまりお偉いSir Mazogaには斬っていい相手と斬ってはならぬ相手を決める権利があるって訳か? 大したものだな、おみそれしたよ」
 Mazogaの怒りと反比例するかのように、Brugoの科白は冷静さと冷徹さを増した。
「俺達が無法の徒である事は認めてもいいがな、だったらその法を決めたのはどこのどいつだ? 自分達のために法を弄ぶ権力者に擦り寄り、奴らにとって都合の悪い存在を正義の名のもとに力ずくで抹殺する……それがてめえの騎士道か、ふざけんじゃねえよ」
「……!!」
 Mazogaは蒼白になって絶句した。それが怒りの故か、あるいはBrugoの言にも一理あることを認めてしまったが故の衝撃のためであるかはともかく……おそらく両方だったろう……その一言は確かに彼女の急所を衝いたのだ。
「生きる、ただそのために他者から奪わねばならぬところにまで追い詰められる者だってこの世にはいる。俺達がそうだなどという気はねえし、例えそうだとしても己より弱いものに剣を向け、その血を流す行為が卑劣であることは否定しねぇがな。だがそれなら、飢える心配のねえ奴が飢え死にしそうな奴を嘲る事は卑劣じゃねえのか? そんな奴が、飢えた者の側に落ちないよう今の立場にしがみつく、それを守るためにてめぇの剣はあるのかよ。正義のため、誰かを、何かを守るために剣を取るだあ?! だったらその守られるべきものは誰が決める? 守る価値がないと切り捨てられたものはどうなるんだ。LeyawiinとMarius殿の都合以外に、てめえに俺達を討つ正当性なぞあるのか? 何もねえだろうが。その時てめえの正義は一体どこにあるってんだよ!!」
「そんなものはどこにも、いつだってありはしないさ」
「Llewellyn?!」
「てめぇは……」
 独白のようにつぶやいたぼくの言葉に、MazogaとBrugoは一様に言葉を失った。
「あまり彼女を苛めるのはやめなよ、Black Brugo。……重要なのは、ぼくたち二人がここにいるという事だけだ。そしてその意味も、君には十分わかっているはずだよ。ぼく達自身が、Marius殿が君に宛てたメッセージなんだから」
「…………」
 Brugoは答えない。
「君達Black Bow Banditsが……いや、彼らはその事に気づいていないにしても少なくとも君が、襲撃件数を可能な限り減らし、商人や農民達の被害を抑えようとしていたことは判ってる。まあ、ある程度は組織防衛のためもあるだろうけどね。でも歴史の必然は、いつだって個々の人間の情意とは係わり無く無情に進行していく。君がどんなつもりでこの戦いを始めたにせよ、既に君達のしている事は、君達自身の戦いをも逸脱しているんじゃないのか? そして何故そんなことになったのかといえば……」
 ぼくは小さな溜め息と共に、Brugoの顔を正面から見据えた。
「……君が引き際を誤ったからだろ」
 Brugoはにやりと笑った。すべてに絶望したかのような、寂しく、哀しい笑みだった。
「少しは物がわかってる様じゃねえか。だがな、俺達にはもとより退路などなかったんだよ。最初から、な」
「ならば君は、やはり剣を収める気はないんだね」
「言うまでもないだろう……」
 応じてBrugoはゆっくりと剣を抜き、構えた。
「てめぇらがMarius殿から俺に送りつけられた答えだってんなら……てめぇらのそっ首をLeyawiinに送りつけてこちらの返事にしてやる。それが嫌なら……せいぜい本気でかかってきな!!」
「Mazoga!!」
 応じて剣を抜くと、ぼくは鋭く隣に立ち尽くしている相棒に声をかけた。
「……邪魔は入れさせない。全身全霊を賭けてあいつに応えてやれ。迷いは捨てろ。さもないと……君が生命を落とすことになるよ」
「…………」
 Mazogaは一瞬何か言いたそうにぼくを睨みつけたが、結局一度開きかけた口を閉じるとこちらも剣を抜いてBrugoに向き直った。
「我が名はSir Mazoga。Black Bow Bandits首領Black Brugoよ、如何なる理由があれども貴様の行いは看過できぬ……」
 自分に言い聞かせるように彼女は言葉を放つ。
「罪を重ねぬよう、今日限りで貴様を止めさせてもらう。これ以上言いたいことがあるなら、その剣で語るがいい!!」
「へっ、そこの相方のおかげかは知らんが、あの小娘がいっぱしの口を利くようになったじゃねえか! 腕の方が口に伴ってるかまでは判らんがな……」
 Brugoは一度構えを解き、ゆっくりと剣を直立させた。
(騎士礼?! まったく予想してなかった訳じゃないが、まさか……)
「さあ、あれからどの程度腕を上げたのか、見せてもらおうじゃねぇか!!」
 その言葉とともに、疾く、重い一撃がMazogaを襲った。

 唸りを上げた剣の一閃が、Mazogaの頭をかすめて後ろに流れる。が、それと同時にMazogaの渾身の突きが、分厚い胸甲もろともにBrugoの逞しい胸板を貫いていた。
「……へっ、剣筋に少しでも女々しいところがあったら本気で真っ二つにしてやるつもりだったんだがな。うまくいかねえもんだ……」
 言葉とともに大量の血を吐き出し、Brugoは崩れ落ちた。放心したかのように後退するMazogaと入れ替わるように、ぼくはBrugoに歩み寄り、口を開く。

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「……言い遺すことはない?」
 Brugoがほとんど聞き取れない声で何か言った。
 ……そんな無茶な。
「ぼくは……死にゆく者に嘘はつきたくないし、自分にできないことをできるともいえない」
 歯を食いしばり、回らない舌を必死に動かしてぼくは言葉を絞り出す。
「……もし事態が、君が恐れる通りだとすれば……その二人の事はあきらめてくれ」
 Brugoが再び何か言った。ぼくはその言葉を聞き取れなかった。
 それがBlack Bow Bandits首領Black Brugoの最期だった。



「正義は為された。君達はこれよりLeyawiinの護り手、白馬騎士として名を知られるだろう」
 Brugo討伐の報告を受けたMarius殿は、肩の荷が下りたとばかりに顔をほころばせた。

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「君達の地位にふさわしいものを与えよう。騎士館を使用する権利と騎士の証たるLeyawiinの盾だ。Brugoを喪ったとはいえBlack Bow Banditsの勢力は未だ侮れぬ。これからもLeyawiinのために力を尽くしてくれ」
 そしてMarius殿は、ぼくよりやや後ろに控えていたMazogaに声をかけた。
「Mazoga卿、進み出られよ」
 柄にもなく硬くなった彼女がしゃちほこばった動作で玉座の前まで歩を進めると、Marius殿は立ち上がって直接彼女に二言、三言話しかけた。Mazogaが自分の腰から外した剣を差し出し、そのまま跪く。
 Marius殿は剣を抜き、刃の平で三度Mazogaの肩を軽く叩くと、重々しい声で宣言した。
「Nine Devinesの名において、AkatoshとZenitareの御名において、我汝を騎士となす。常に誇り高く、気高く、いかなる時も勇気を失う事のなからん事を。主君には忠義を、民には仁愛をもって尽くし、ただ高貴なる義務に仕えよ」
「騎士として、その義務に服することを誓います。わが忠誠は閣下のものです」
 カチカチに固まりながら、Mazogaが何とか言葉を返す。
「立たれよ、Sir Mazoga。汝は今、騎士となった」
 Marius殿はぼくにも同じ叙任儀礼を執り行おうかと申し出てくれたが、丁重に辞退させていただいた。

 そしてもちろん、この一件はこれでは終わらなかった。
 いや、むしろ始まったばかりだったのだ。

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ウロ

URL | [ 編集 ] 2011/05/28(土) 07:18:31

こんばんはー、です。

>助力を断るのであれば……などとはMarius殿は言わない
Leyawin伯は地味ながらあれですよね、なかなかどうして名君というか曲者というか。
「私は君が仕事の途中だということを知っている。足止めするつもりはない」とかあくまでーも穏やかにプレッシャーかけてくるんで、最初会ったときうわあやなおっさんだ! と思ったのを覚えてます(笑)
いばり散らす必要なんかないってことを良くわかってる人なのだろうなあ。

今回のクエストはどう発展するのかなー、と思ってたらあっちとリンクするのですね。
プレイしたことはないので今後の展開が楽しみ。
Vanillaでは「Mazoga卿、過去と決別する」みたいなこざっぱりしたストーリーでしたが政治的なもの、野盗討伐を依頼したのが他でもない領主様だってことを考えたりすると見方がまた複雑になってくるものですねえ。

騎士Brugoは最期になにを語ったのか、などといろいろ妄想しつつ。続き楽しみにしておりますー。

天気輪

URL | [ 編集 ] 2011/05/28(土) 19:41:47

読みながら「アレ?このブルーゴVanillaと違うけど知ってるぞ?」と
思ったらこう繋がる訳ですね。
自分のとこでは「この話書いたらレヤウィンだけ物凄いボリュームになるわ!」と思って泣く泣くバッサリ切ったので最後のSSで一気にテンション上がりました(笑)
しかしこのブルーゴは世界で一番カッコ良いんじゃないかしら。
ここで騎士礼で応えてしまうブルーゴの胸中を思うとこみあげてくるものが…;;

それにしてもあの光源囲まれハゲはやっぱりみんな曲者だと思ってるんですね(笑)
帝国が崩壊してもあのハゲだけはしぶとく生き残りそうなイメージが。

あまね

URL | [ 編集 ] 2011/05/29(日) 12:02:29

 ウロ様こんばんは~

>うわあやなおっさんだ!

 不覚にも吹き出しかけました。何て簡潔にして要を得た人物評価(苦笑)。実際Leyawin伯は、各都市の領主たちの中では一番現実主義的で有能な人だとは思うんですよね……いい意味でも悪い意味でも。Cyrodiilの男性領主では、唯一表に見せる顔が普通の人間だというのもあるかもしれませんが(他が吸血鬼と灰色狐と呑んだくれと親バカですからね……って、最後はまだ普通ですか)。
 これに続くクエストMODですが、裏事情にかなり独自解釈が入る予定ですので、どうかお楽しみにというべきか、あまり内容信用しないでくださいというべきか……(^^;;
 それでは、またそちらにもおじゃまします。

あまね

URL | [ 編集 ] 2011/05/29(日) 12:03:13

 天気輪様こんばんはです。
 はい、ラストの白馬騎士館でおわかりの通り『Knights of the White Stallion』に進む予定です。というかマジェラ君がこっちに進む予定が一応あったんですねえ。
 Brugoは最初あそこまでやる予定はなかった……はずなんですが、科白を推敲している内にどんどんキャラの方向性が悲壮な方に向かってしまいました。格好よく受け取っていただけたのなら大変嬉しいです。

 Marius Caro氏は……ウロ様のコメントがある意味すべてを語っているような(苦笑)。まあ白馬騎士のクエストだけならそこまで表裏がある人にも見えないとは思うんですが、シーフギルドクエで明らかになる裏の顔があれですし、戦士ギルドクエでもBlackWood Companyを野放しにしていた訳ですしねえ。そんなこんなで二面性のある人物だと皆に思われてしまうのかもしれませんね。
 それでは、また。











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